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PROFILE

中島 渉(なかしま たかし)

日本大学動物資源科学科を卒業し、広告制作会社にて写真について学ぶ。その後、アラスカ大学に留学し、野外で動物を観察しながら学び、写真を撮りはじめる。主にアラスカに生息する哺乳類とその生息域を撮影対象とし、条件が厳しい自然に生きる生命の強さに迫る。現在はアラスカでも、島嶼地域や、陸の孤島といわれる、食糧資源がより限られた生態系に注目し、土地と生物のつながりを、写真と文章で表現する活動を進めている。

 

自然写真について:

アラスカの動物は特に「生きることに必死」であるように思います。これを具体的に解釈して、「次に、よりたくましい命をつくること」と言い換えてもいいのですが、たとえば、アラスカの代表的な動物であるムース(日本名:ヘラジカ)は、秋のある時期に集まり、ハーレムという集団繁殖の場をつくります。このハーレムではいちばん強い雄のムースだけが、子どもをつくる権利をもっています。このおきては、だれが決めたわけでもありません。そして、次に生まれてくる子どもたちはみな、一番強い父親の子どもです。もちろん例外は多々あり、隙を狙って別の雄が、交尾に成功することがあります。また、母親となるムースはたくさんいて、体質と性格はそれぞれに違うので、同じような子どもは生まれてきません。これらが、近親交配による種の弱体化を防ぎます。このように、ベースとして一番強い父親の遺伝子を子に伝えつつ、それが弱まらないよう適度に別の血を入れ、大きなバランスを保ち、次により強い命が誕生する。これが生命のダイナミズムです。また、これは自然の美しさでもあります。

僕は写真を撮り続けますが、芸術的な美を表現するものではありません。きれいには撮ります。また、撮影の技術も磨き続けたいと考えています。色彩としての光の変様は自然の美しさとして画像に仕上げます。この光は対象を引き立てる、あるいは主題が何であるかをわかりやすくさせるものと考えています。もちろん自然写真は、芸術のなかの一分野として位置づけられていることは確かですが、自分の趣味を反映させた芸術美ではなくて、あるがままの自然の美を、僕のフィルターを通して捉えることが、重要だと考えています。このフィルターとは、ひとつには、各動物がもつ固有の本質、これに対する知識です。それを深く精確に表すためにはもっと準備と経験が必要ですが、僕が収めた写真を見てくれる人に、自然美に対する直接的関心を喚びおこすことができれば本望です。

 

アラスカへ撮影旅行に来られる方へ:

アラスカと言えば、大自然です。その中でも特に魅力があるのは、クマやヘラジカなどの大型動物が、より活動的になっている夏の風景。それから氷河やツンドラなどの、他では見られない巨大なスケールの自然です。それぞれ、動き、広がり、明暗がはっきりしているのがアラスカの自然の特徴です。そのため、テーマを持った撮影がしやすいとも言えます。皆さんと行く撮影の旅では、狙うポイントを明確にし、そのためのカメラ操作や、できた写真と事前に考えていたテーマとの比較評価を、ご自身でしていただけるようなアドバイスをしていきます。望遠レンズ必須です!